【20250618】専2航海
専2航海とは、専攻科2年生最後の航海実習という意味で、樽水専攻科からは漁業科のほか、情報通信科、函水専攻科の機関科が乗船しました。主に海上交通安全法(通称:海交法)の適用海域である瀬戸内海と、港則法にある関門海峡を航行し、海上交通三法を理解することを目的としてます。 また、ECDIS(電子海図情報表示装置)講習も兼ねており、卒業後の国家試験の口述試験に合格するとECDIS限定が解除されたものとなります。復路で寄港した静岡県清水港では、三保造船所様のご協力によりドック見学も行うことができ充実した航海となりました。函館帰港前日、後輩が乗る専攻科1年生を乗せた北鳳丸が、43日のサンマ調査に向けて出港し洋上で労いました。この北鳳丸のサンマ調査では、国立研究開発法人水産研究・教育機構の用船として、今年のサンマの資源評価及び長期漁況予報の基となるデータを収集します。簡単に言うと日本付近でのサンマの漁獲がどれくらいなのか調査する非常に重要な任務を背負っているのですが、無寄港で非常に遠い海域での過酷な調査となり、昨年この実習を経験した専攻科2年生はその大変さを知っているため過ぎゆく北鳳丸を見て感慨深い思いで見送っていました。
航路航行中のブリッジ内(←来島海峡航路を通航する各船が見られます)
津軽海峡にて後輩を見送る
三保造船所にてドック見学(←三保造船所のHPにUPされてます)
【20241212】
専攻科生は将来、船長・航海士として進みますが、最初は甲板員(※1)として採用されますので、甲板作業において必要なロープのさつま(※2)の方法を覚えることは必須です。
エイトロープ(クロスロープ)のアイスプライス(丸形・角形)、ショートスプライス、バックスプライスを学びます。
※1甲板員:船の世界では「かんぱんいん」とは言わず、「こうはんいん」と言います。
※2さつま:スプライスともいいます。ロープの繊維に編み込む作業のことです。輪にしたり、つないだり、端を止めを学びます。
SG 専攻科漁業科
将来の船長・航海士を育てる教育機関 (船舶職員養成施設)で、航海士に求められる「海技専門知識」や「技術」を習得します。小樽水産高校専攻科漁業科は、50年以上の歴史を誇り、関東以北唯一の ”三級海技士(航海)” 養成施設として、漁船、官庁船、内航タンカーやフェリー、RORO船などの商船へ多数の修了生を輩出しています。船員不足が深刻化する現在、人材供給源として海運業界の期待がますます高まっています。
専攻科漁業科に進学するために
所定の海技単位と乗船履歴が必要になります。 海技単位と乗船履歴は、小樽水産高校海洋漁業科で得ることができます。
取得できる資格
◆三級海技士(航海)
海技士国家試験は、筆記試験と口述試験があり、本校専攻科修了時に、筆記試験が免除され、直ちに口述試験の受験ができます。現在は筆記試験免除に甘えることなく、実力で合格している生徒がほとんどです。
大学、高等専門学校、高等学校で養成できる海技資格としては、最上級の資格です。また、本校は登録電子海図情報表示装置(ECDIS)講習の実施機関のため能力限定は解除されます。
◆二級海技士(航海)
最近では、筆記試験全科目合格する生徒も見られます。
◆第一級海上特殊無線技士
国際航海に従事する船長・航海士には、必須の資格です。
◆船舶衛生管理者
(講師:小樽掖済会病院医師及び薬剤師)
船内の衛生担当者として、将来的に必要になる資格です。
実習について
1年生では、1年間、実習船(若竹丸、北鳳丸)に乗船して、乗船履歴を積み重ねるとともに、航海方法や、調査実習を基に船員としての資質を育てます。
主な実習
・ 海上交通安全法を理解するため、瀬戸内海などの適用海域の航路を航行する「航海実習」
・ 定期点検や整備の「ドック実習」
・ その年の資源量を調査する「サンマ調査実習」
・ イワシの生育状況を調査する「秋季浮魚調査実習」
・ 生徒に人気の漁労実習「マグロ延縄漁業実習」
・ マグロ類などの「産卵調査実習」
・ ECDIS講習がメインの「専2航海」
北鳳丸にて調査実習の様子
サンマ調査実習
目印を浮かべての操船実習
レーダARPAシミュレータ実習
航路を航行する前に全体で事前学習する
航路イン
実機を使用してのECDIS講習(40時間)
レッド(ヒービングライン)投げの練習
【過去5年間の就職先】
《漁業後継》
《タンカー》
・イイノガストランスポート(株)
・昭和日タンマリタイム(株)
・鶴見サンマリンタンカー(株)
・(株)デュカム
《セメント船》
・大窯汽船(株)
《フェリー》
・商船三井フェリー(株)
・新日本海フェリー(株)
・青函フェリー(株)
・津軽海峡フェリー(株)
《RORO船》
・泉汽船(株)
・鹿児島船舶(株)
・川近シップマネジメント(株)
・近郵船舶管理(株)
・日本海運(株)
・北星海運(株)
《その他》
・日本海船舶(株)
《官公庁船》
・北海道水産林務部(漁業取締船)
・北海道教育庁(実習船)
《陸上勤務》
・(株)北海道日水
・大同倉庫(株)